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シュライバーの生い立ち まずは、この楽器の生い立ちについて(1998年版カタログからの抜粋)。 『…旧チェコスロヴァキアのクラスリッツ地方は、1930年代の後半頃まで、ヨーロッパ楽器産業の中心地でした。ヴェンツェル・シュライバーはその地方の名人で、伝統に則って100%「手工」のバスーンを作っていました。西ドイツに移住したヴェンツェル・シュライバーは、1947年にフランクフルト近郊のナウハイムに小さな楽器製造会社を設立しました。その後会社は二人の息子、フーゴーとエルンストによって受け継がれ、クラスリッツから熟練した職人をどんどん呼び寄せて大きくなり、40年の間に今の姿にまで成長しました。…。』 英語による解説は、ここにある。 モデル 私が楽器を購入した時点(1989年3月)でのカタログには、以下のモデルが写真入りで紹介されている(定価の安い順): 5014、5016、5020、5030、5071、5091、5041(コントラ・バスーン)。このうち、現時点で流通してる楽器は、5030の後継機種の5031と最高機種の5091のようだ*(5071がなくなったようだ。ちなみに5031のと5091の標準価格の差は約90万円ある。蛇足だが、なぜ5000番台を使用しているのかは、今のところ不明である。 (*1998年4月のカタログによると、5011、5031、5091という3つのモデルで構成されている(価格表参照))。 ※:このWebページには、S-91 Prestige (WS5091)、S-71 Artist Model (WS5071) 、S-31 Professional Model (WS5031) 、S-16 Conservatory Model (WS5016) 、S-13 Conservatory Bassoon (WS5013)、Contra Bassoon (WS5041 and WS5051) というラインアップが紹介されている。 |
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5091の仕様・付属品
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私がこの楽器を選んだ経緯 私がなぜこの楽器を選択したのかを述べる。自己紹介にあるように私が高校に入学し、管弦楽部に入団した秋に師匠の紹介で最初に手に入れたのがシュライバーの中古楽器だった。それを10年ほど使用した後、そろそろちゃんとした楽器が欲しいなぁと思って師匠に相談したところ、『以前は、ヘッケルを買えなければピュヒナーというのが定説だったのだが、最近ピュヒナーから腕の良い職人がいなくなって、出来が悪くなっているという話を聞いている。一方、シュライバーは最近研究を重ねてきていて、この楽器の弱点(例えば、楽器の構造上中音域のD音が開いた音色になりやすいなど)をかなり克服する造りをしてきているので、お勧めだ。元々シュライバーを吹いてきたから相性もよいだろう。』ということで師匠の紹介で輸入元のビュッフェ・クランポンに連絡を入れてもらい、結局1989年3月に3本の5091と2本の 5071を用意してもらった中から今の楽器を選んだ。その時点での感想は、5071は私のボーカル(ヘッケルCC−1)との相性が悪く、私の吹き方では楽器が負けてしまうような感じだった。3本の5091に関しては、どれもみな同じフィーリングだったので、一番製造番号の古いもの(そのほうが楽器が枯れていてこれ以上変化が少ないだろうという判断)を選んだ。購入後、唯一の問題点が発覚した。この5091には低音のA♭−B♭用のトリル・キー(写真)が付いている(といっても、これを使用するのは私が知っている限り、フィンランディアの2ndくらいだろう)のだが、これのおかげで私が常用する高音のG♯の運指で、本来開かなければならないキーが塞がってしまうのだ。これでは困るのでクランポンに持っていき事情を話すとそれを解決するキーのアジャスターを付けてくれた(1万5千円だった)。 |
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新モデルと旧モデルの相違点あれこれ ここで比較するのは、私が1989年3月に購入したモデル(製造番号:24552)とザ・シンフォニカのメンバーが1997年10月に購入したモデル(製造番号:32509)である。前者をA、後者をBと呼ぶことにする。
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1997年12月初版作成、1999年9月改訂。 「バスーン♪の杜」 |
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