5091の健康診断記録

1999年の2月に通算3度目となる楽器修理に出したのを機に、今までの記録とこれからも記録をしておこうと思い立ち、このコーナーを企画した。

時期 内容
2010年7月30日 前回の修理後に今回の予約を剱持さんにお願いしていた。コースは、LMコース

今回の修理内容は、以下の通り。
  • 分解掃除とグリスアップ (キー・ノイズやガタの除去)
  • Low C 〜Low D 〜Low H キー / 連絡調整
  • Low Cis / 連絡調整
  • キィー・ローラー等 / オイル注入
  • ダブルジョイント G キー / ガタ修正 (芯金交換)
  • As-B♭ 接続キー / キー・カバー接触のため、ノイズ除去
  • 右手親指 E キー / キー・ガードが接触、曲げ修正
  • 右手中指 H リング・キー / 高さ調整
  • High H / ペチャ付きの為、タンポ交換
  • 右手親指 E キー 〜 Whisper pp 関連連絡調整
  • 左手親指 High A キー 〜 Whisper pp 連絡調整
  • 全タンポ息漏れチェック
  • 全連絡バランスのチェックと調整
2009年8月08日 お忙しいKBWさんに無理を言って1年半ぶりのメインテナンスを割り込ませていただいた。ベースは、前回同様にLMコース

修理内容は、以下の通り。
  • 分解掃除とグリスアップ(キーノイズやガタの除去)
  • Low C〜Low D キー/連絡調整
  • Low D タンポ開き/微調整
  • キー・ローラー等のノイズ除去
  • ダブルジョイント Cis トリル タンポぺちゃつき除去
  • G3 タンポ調整(ズレ)及び関連連絡調整
  • High H〜左手薬指リング/バネバランス調整
  • 左手親指 Eキー〜Whisper pp 関連連絡調整
  • Whisper pp 楕円タンポ交換(硬化)
  • ダブルジョイント A、As 音孔/内壁白化の為(写真)、オイル処理
  • 全タンポ息漏れチェック
  • 全連絡バランスのチェックと調整
2008年2月15日 昨年のオーバーホールからちょうど1年経ったので、再びKBWさんのお世話になることに。今回は、健康診断的に軽いメインテナンスということで、ベースはLMコース

修理内容は、以下の通り。
  • 分解掃除とグリスアップ(キーノイズやガタの除去)
    • ガタ調整 (Low Cis、Fis、Back As、G3、G)
    • セリ調整 (Low B♭、B)
  • 右手親指Fis−右手小指F連絡キーのノイズ除去
  • 部品交換 (G3タンポ+必要関連調整)
  • 全タンポ息漏れチェック
    • 右手親指Eタンポが息漏れの為、タンポ調整
  • G3音孔内ゴミ付着の為、除去
  • 全連絡バランスのチェックと調整
  • バランサー変形の修正
  • Low G Key バネの掛かり改善
2007年3月28日 KBWさんのお世話になることに決め、予約を取ったのが2006年の10月。預ける期間は、当初、シンフォニカの本番が終わった後から1ヶ月と言うことだったが、実際に楽器を預けて楽器診断をしていただいたところで、もう少し時間をいただきたいということで、2月14日から3月28日までというスケジュールにしていただいた。

修理内容は、以下の通り。
  • ベースは、KBWのSOコース
    • 分解掃除とグリスアップ(キー・ノイズやガタの除去)。
    • キー及びキー・ポストの銀メッキ仕上げ。
    • 管体胴輪(テナー、ダブル、ベル)研磨仕上げ。
    • 部品交換(全タンポ、全キー・コルク・フェルト)。
    • 部品交換(スプリングの交換及び修復)。
    • 塗装修正(テナー・ジョイントのマウント角の剥げ、表面研磨)。
    • U字管コルク交換。
    • 全体バランス調整とタッチ感の調整。
    • 音孔上面調整と表面処理。
    • ストラップ・リング止めネジ摩滅の為、交換。
    • 貫通連絡棒不適の為、2本交換。
  • その他
    • ヘッケル S-Bogen CC-1の修理(割れ修理、銀メッキ、コルク巻き)。
    • タンポのネチャ付き防止(上記SOコースに組込み)。
    • ハンドレスト軸の適正化(軸取外し、新規軸装着、回転止めピン打ち)。
  • 音質・音程改良
    • ヘッケル S-Bogen CC-1使用で、A=441-442Hzを可能にする。
    • 最低音D2の音量と音色の改善(高めになり、音の抜けが悪い)。
    • 最低音部(E2より下)の楽器の鳴りの改善。
    • C#3がリードによっては強く息を吹き込むと音程が下がることがある。
2006年2月25日
  • 今年は、バスーンを吹き始めてから30周年、ザ・シンフォニカも創立20周年という記念の年なので、まずは楽器の調整をして整えた状態で記念日を迎えたいと思い、前回同様にサト・テクノ・ミュージックさんにお願いした。
  • 見積もりによると、全体のバランス調整、キーのガチャ取りとHigh-GとA♭のタンポ交換で、\32,000円(+消費税)とのこと。前回から5年が経ち、さすがに基本料金の値上げは致し方ないと思うが、全体として5万円位だろうと思っていたのでコスパは良いと感じた。
  • 1週間後の3月4日に受け取りに出かけ、その場で試奏。気になっていた箇所のガチャが無くなり、チューニング・メータを使って全体の音程をチェックしたが、特に最低音部の音程が非常に良くなった。
  • 仕上がってきた楽器と今期演奏する曲の楽譜の記念写真
2001年6月2日
  • 前回の修理・調整から2年以上経ったところで、PPキーのシャフトが緩くなってきたり、PPキーのタンポが汚れてきたこともあったので、調整に出すことにした。これまでは、東陽町のクランポンに出していたのだが、今回からSTMに出すことにした。元々この楽器を購入した時の検品調整をしてくださったのが、STMのS氏であったこともあり、またSTMはクランポンに居た技術者が独立して始めた会社でもあるので、その業務内容に関しては信頼がおけると判断したからだ。
  • 調整に出してから約1週間後に電話があり、調整担当者のもう一人のS氏からの質問。今回、ボーカルのコルクの巻きなおしも依頼したのだが、チェックの結果不要(特に息漏れなどが無い)ということで、当初の見積もりよりも3,000円安く上がった。また前回の調整時に作成してもらった、音程調整用のワッシャーについて、ある音での音程が良くない点を指示されたが、小生が吹くうえでは、特に問題を感じていないので、そのままにしてもらう。
  • 6月2日に出して13日の納品。全体のガチャ・バランス調整、テナー・ジョイントのタンポ交換(5箇所)、上記PPキーの修理で全部で25,000円(+消費税)。仕事ぶりも丁寧で、価格的にもとても満足のいく内容であった。
1999年2月19日 楽器を購入してから10年目ということで、全体修理を依頼(当初は、分解修理のつもりだったが、「分解修理するほど痛んでいません」という技術者のコメントに素直に従った。まぁ、そのほうが安くて良かったのだが…^^;)。内容は、
  • U字管の交換
  • 音程調整用ワッシャーの作成
  • タンポ交換(2箇所)
  • ロング・ジョイントの接合部のコルクと金属リングの交換
  • キー全体のガチャ/バランス調整(約25箇所)
これで、¥40,000(全体修理)+¥10,000(U字管)+¥10,000(ワッシャー)+消費税。

U字管の交換は、楽器を持っていった時の技術者の所見で勧められた。右写真の左側が今回購入した物で、右側が10年間使用したもの。下が内側の写真。

楽器を引き取りに行き、試奏をした瞬間にこの新しいU字管の威力を体で感じることが出来た。とにかく、楽器が豊かに鳴るのである。そして音色に厚みが出て大変豊かになった。これはC万にしては安い買い物である!技術者の話では、このU字管の使用にあたっては、そのコルクの厚さもかなり重要なんだそうである。私の楽器に最善の状態にしていただいてあるので、このような新鮮な驚きが生まれたのに違いない。しかし、外見からは殆どどこにその秘密があるのかが分からない…。
U字管
新U字管(左)と旧U字管(右)

U字管の内側
上のU字管の内側
最近、管体全体のピッチがやや高め(443〜444Hz)で、何度も不連続練習日記にてその悩みを書いて来たのだが、今回の修理の際にその旨相談したところ、音程調整用ワッシャーの作成をしてくれた。

ダブル(ブート)・ジョイントのそれぞれに右の写真のようなワッシャー(合成樹脂製)をはめ込む。はめ込んだ写真がその下。
そして、ロングとウイング・ジョイントそれぞれにも別のワッシャーをはめて使用する(下写真参照)。

今まで、ピッチの調整をするために、ロング/ウイング・ジョイントをそれぞれ約3mmほど抜いた状態で演奏していた。このワッシャーを使用している状態で、今までと同じ状態になる。勿論、ワッシャーは外すことも可能である。ピッチの調整は、これで大丈夫だが、ダブル・ジョイントの部分には水が溜まりやすいので注意が必要だ。ロングとウイング・ジョイント用ワッシャー
ダブル・ジョイント用ワッシャー
ダブル・ジョイント大用(左)と小用(右)

ダブル・ジョイントへはめ込んだワッシャー
ワッシャーをはめ込んだダブル・ジョイント

ロング・ジョイントの接合部、特にベルが付くほうは、コルクがきつかったので、自分でコルクを削ってしまったこともあり、最近スカスカ状態になってきていた。また金属リングの部分も傷がついていたので、今回の交換で新品同様となった。
ロング・ジョイント接合部
ロング・ジョイント接合部
1996年6月8日 ザ・シンフォニカ 創立10周年記念演奏会を前に、全体修理を依頼。内容は、
  • ウイング・ジョイントの接合部のコルク巻き
  • U字管のコルク交換
  • ボーカル(ヘッケルCC−1)のコルク交換
  • Low−DとPPキーのタンポ交換
  • キー全体のガチャ/バランス調整
これで¥36,000+消費税。初めての全体修理・調整ということであったが、楽器そのものの管理状態が良かったので、これといって特に問題無し。
1992年8月26日 これはクランポンで楽器を購入した人への特権で、購入後3年以内は保証修理ということで特に問題無ければ(部品等の交換が無ければ)無償で修理・調整を受けられる。この時は、全体のバランス調整程度で特に問題無し。
1989年秋
5091にまつわるエトセトラに記したように、低音のA♭−B♭用のトリル・キーに関してアジャスターを付けてもらった(右写真参照)。これで私が使用している上のG#の運指に支障が無くなった。 AsBトリル・キー

2001年2月初版作成/2010年7月更新
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